□ ■ □ ９月のコメントＰ－Ⅲ□
奈良市ならまちセンターにおいて、９月２７日（土）と２８日（日）の２日間、12時～18時まで、第8回建築家による「家づくりフォーラム」を開催します。今回のテーマは「すまいと環境」と題した展示です。入場無料、どなたも自由に御覧いただけますので、ぜひおこし下さい。
2005年に、年2回の予定で開催しようと、私が建築家の友人達に呼びかけて開くようになった家づくりフォーラムも8回目を迎える。最初の会の展示は6人で出発したのだが、最近の会では、建築家だけでなく、家具の作家や造園家も加わって、参加者の人数も増え、会場の構成も随分と楽しいものになってきている。講演会や来場する人も参加するフリートークなど、幾つかの実験もかさねてきた。フォーラムのテーマも、毎回の企画の段階で、参加する建築家で話し合い、「すまいとかたち」や「住まいのテーマ」、「家族とかたち」、今回の「すまいと環境」などを設定し、フリートークや展示に反映させてきた。
今回の「すまいと環境」というテーマにそって、私が設計した住宅の中からひとつの住宅を設定し、幾つかの短い文章を作ってみた。散文とも詩とも言えないようなものだが、その中から三つの文章を示してみよう。
私のホームページの作品紹介の中に、写真と共に掲載していますので探してみて下さい。
環境とすまい
人にとって心地よい環境とは
他の生物にとっても住みよいもの。
樹々の緑陰がひろがるすまいが
街を形づくることができれば
暮らしにうるおいが生まれてくる。
環境とは与えられるものではなく
自らが手を入れてつなげるもの。
すまいと庭
大きな庭があってもいい。
ほんの小さな庭であってもいい。
すまいと庭は補いあう関係。
人はいきもの。
人工の中だけでは豊かじゃない。
樹々が芽吹き、
青葉がしげり、
彩り豊かに紅葉し、
やがては落葉するように、
自然は年毎に繰り返す。
草花が咲き、小鳥達がさえずり、蝶が舞う。
あたりまえのような自然の変化が
人の暮らしには心地よい。
たとえ一輪の花であっても。
間あい
人間て、文字通り人の間と書くように、
すまいにも間という空間が大切です。
隣地とのつながり方や
道路との接し方だけでなく、
棟と棟との間あいや
軒下のヌレ縁のような空間、
部屋と部屋の間にも
柔らかにつながる間あいがあれば
豊かな関係が生まれる。
武市義雄
