□ ■ □ 10月のコメントＰ－Ⅱ□
黄金色の波の中に、夜露をいっぱいに付けた蜘蛛の巣がキラキラと光っていた。
夏の暑熱が嘘のように消え
スーッと大気が澄み切ってきた里山
等高線を描く畔道にそって彼岸花が燃え
黄金色に実った稲穂が頭を垂れている
紅と黄金色の織り成す彩りが
軽やかな初秋の調べを奏でる
曙光を浴びた稲田から
白い水蒸気が生まれ
たゆとい、流れ、子供のように戯れている
ほんのひとときのページェントを見つめている私
武市義雄
燃え上るような彼岸花も、曙光の中で輝いている。
紅、赤、朱・・・
これは、夜露の降りた彼岸花から立上る水蒸気。
薄暗い杉林の小道に一条の朝日が差し、たった１本だけ咲く彼岸花を浮かびあがらせていた。
朝日を浴びた稲田から立上る水蒸気が面白い。
曙光が差す当尾の里山は、見渡す限り黄金色の彩り。実りの秋の風景。
たわわに実って頭を垂れる稲穂の色と、すっくと立った茎の上で燃えるように咲く彼岸花の対比が美しい。
こんなに豊かな彩り。
日本の秋って、やっぱりいいよね。
黄金色に光る波の中に、紅い帯を流したような彼岸花。
